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「第2回全国失語症会話パートナーのつどい
 〜新たな連携と活動の展開を目指して〜」を開催して

 失語症会話パートナーは、失語症の人の心により添い、会話支援技術を持ってその意思の疎通を支援する人です。情報を伝えるだけではなく、人と人とのコミュニケ-ションを仲立ちし、失語症の人の思いを聞き、尊重しながら共に歩もうとする人です。今年度の全国失語症友の会連合会(現日本失語症協議会)全国大会でも「もっと会話パートナーを増やして」という当事者の声が聞かれました。また平成25年に施行された障害者総合支援法の関連でも、失語症など意思疎通が困難な人に対する支援事業の実施が全国の市区町村に周知されたとのことです。
 今年度は、和音の前身団体が失語症会話パートナーの養成を始めてから15年、NPO法人として再出発してから10年目を迎えました。2009年に開催した「第1回全国失語症会話パートナーのつどい」からも5年が経過し、この間新たに埼玉県、群馬県、熊本県、沖縄県などでも言語聴覚士会やNPOが主催する会話パートナーの養成が始まっており、都内では豊島区、世田谷区、武蔵野市、千葉県では我孫子市に続き市川市でも行政が養成を始めています。さらに他地域からも和音への問い合わせや講演依頼が相次ぎ、失語症者へのコミュニケーション支援の必要性と会話パートナーの存在が徐々に浸透してきているのを実感しています。
 この節目の年にさらなる活動の展開を目指し、また会話パートナー同士の連携を深めたいと考え、全国の会話パートナーが一堂に会する「第2回全国失語症会話パートナーのつどい」を呼びかけました。当日は79名もの参加を得ました。当日不参加の団体からも資料をいただき、多くの地域の会話パートナーの活動の様子を共有することができました。
 大会の最後に「新たな連携」として和音から一つの提案を行いました。それは全国の会話パートナーが任意で参加し、意見交換や情報交換をするためのメーリングリストを立ち上げるということです。メーリングリストを第一歩として、全国の会話パートナー同士が横のつながりを持つことにより、お互い切磋琢磨して失語症当事者のニーズに応えられる力を養い、社会情勢の中で求められている役割を再確認することができると期待しています。また社会や行政に対しても、失語症者の支援者として会話パートナーが必要であること、全国で会話パートナーが養成され、活動が広がりをみせていること、さらには互いに連携して失語症者を支援し続けようとしていることなどをアピールできると考えます。
 本つどい開催に当たり、助成いただいた独立行政法人福祉医療機構を始めとして、個々人や諸団体の様々なご協力に対して改めて深謝すると共に、参集された皆様からいただいたエネルギーと熱い思いを心に刻み、今後も失語症者の社会参加を支援する活動に邁進する所存です。

2015年2月吉日

NPO法人言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会 和音
代表理事 田村洋子


NPO法人言語障害者の社会参加を支援するパートナーの会 和音
独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業